父に自分が書いた二つの文章を読んでもらった。自分が書いたのを告げずに、どのような評価が出るのかを知りたかった。
私は父のことをこのように思っている。
母は、父がまじめで少し馬鹿なところがある。そのためか、大学での人間関係ではうまくいかない。人が憧れる学部長まで辿り着いたものの、管理者・責任者としてのアレコレにうんざりして、一人の大学教員にもどった。父は論文を書くのに苦しんでいる。というのも、父の専門は国ではまだ仲間がいなく、孤独の研究である。そんな父、夕飯にはよく母と研究の話をしていた。
私はそんな中で育てられた。正直、父のことはそれぐらいしか知らなかった。しかし、自分が研究するようになってからは、父のことを少し分かる気がしてきた。父は、頑固でまじめなひと。自分が思う道にしか歩けなく、他人のことを気にすることはできない。自分の研究、自分の仕事を一筋にしか出来ない人。しかし、父は偉大な大学教員だと思う。研究のオリジナルなところもあるし、周りに理解されないときにも、自分の研究を信じ、研究を進めてきた。今には、父の授業を履修する学生も少しずつ増えてきている。父は自分の好きなことをして、好きのように生きている。
私はそんな父に自分の書いた文章を読んでほしかった。
父からの評価は、「とてもよく書けた文章。日本語にしろ、観点にしろとてもよく出来た。私の勤めの大学の院生と比べても、観点は新鮮で、とても興味深い!」
翌日に母からメールが来た。
「大学をやめるのは本当にもったいない。あなたのことを多くしゃべらないお父さんもそう言っているのよ!学校と家庭を両立する方法はないの?」
私は書くのが好き。
昼は図書館漬け。
夜は、酒飲みながら文章を書く、資料を読むのが大好き!
しかし、それは一人の時。夏にはスカートをはかず、ジーパンとスニーカーにリュック。そんな格好をして大学へ、図書館へ。次の発表、今度のレポートのことしか考えなくてよかった。
生活は単純で、充実をしていた。その結果は一流大学の大学院に入学することもできた。
それとほぼ同じ時期に、人生のパートナーと出会った。
学部4年間、たくさんのことを経験し、人生の道のりを大きく遠回りしてきた。人生のパートナーとはこれさき当分出会えないだろうと確信していた。でも、人生はプラスもマイナスも思うように進まない。彼と出会ってしまった。これまでの生活は一変し、私は研究だけ考えればいいのようなことはもうできない。お金や家庭や子ども。
学業と家庭を両立できなくはない。
しかし、それは単身赴任の形になってしまう。「単身赴任」の覚悟は、今の自分にはまだできていない。新婚早々、別居生活をイメージできない。それに、経済的に厳しい今では、生活費も伸しかかる。
今の自分には、両立する道はまだみつからない。

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